北陸公衆衛生学会理事長
                        元金沢大学長 岡田 晃  


 北陸公衆衛生学会は、昭和48年12月6日、金沢大学医学部記念館で創立総会
を開催してから、すでに36年の歴史を重ねている。その間、北陸を中心とする
地域住民を対象に、常に公衆衛生に関する、よりよきサービスを提供していく
ことを念頭に活動を続け、現在、この分野において確たる評価をいただいてい

る。

 北陸は地理的に、したがって気候風土の面でも、また社会・経済的にも共通
面を有し、かつては疾病発生の状況から特異性が強調されていた。公衆衛生活
動もこの共通の基盤の上で展開されており、研究交流の必要性が痛感されて発
足したのである。この学会では、学会開催のほか、学会誌発行、それに会報と
しての“北陸と公衆衛生”の発刊などが三つの柱となっている。
 今日の社会は、急速にグローバル化が進み、環境、高齢化、エネルギー、食
料に関する問題など国際的視野で解決すべき問題が山積している。特定の地域
を主体としがちな、地方における公衆衛生活動は、ときに視野が狭いと受けと
られる向きもあるようだが、地方的な課題が国際的な拡がりをもつ発見にもつ
ながるものであり、小地域から地球規模へと浸透し、また、それが地球規模か
ら小地域へと還元されていくことこそ公衆衛生の種々の問題解決に当たって極
めて重要なことであると考えられる。

 そして、今日のような情報化が顕著に発達した社会では、数多くの情報が迅
速、確実に公開・開示されてこそ、地城住民の生活に密着した生きた公衆衛生
活動が展開されるわけで、今回、北陸公衆衛生学会がホームページ開設に至っ
たのは、まさに時宜を得ており、これから当学会が北陸という地方を基点にし
ながら、国際的規模で発展を続けるための大きな基盤となるであろうと確信す
る次第である。
 公衆衛生が、知識、技術の活用はもちろん、先端的な予防科学として、大い
なる存在であり続けるよう、北陸公衆衛生学会員諸子のさらなる研鑽を期待し
たい。

直線上に配置

直線上に配置